興味深い、転職時の賃金増減データ

なぜ?不況期の転職者91%が「転職成功」と答えた理由【Tech総研】

転職時期によって年収の増減が変わっているということだ。不況が顕然化する前の昨年秋には転職による年収増加が例年なみに可能だった。ところが不況の深刻度が増した今年5月には、転職によって年収が減ることを多くの人が覚悟しなければならないようになってきた、ということが言えそうだ。

ちなみに、こうした推移を金額ベースでたどってみると、表のようになる。回答者の増減額を平均化し、それを並べたものだ。2008年1月までの転職では平均してプラスを示しているが、2月になるとそれがマイナスに転じ、さらに5月には175万円もの大幅な落ち込みを記録している。

これは大変興味深いデータ。
経済的には雇用系の指標は遅行指標といわれており、景気の実態に対して送れて追従してくるデータだと考えられている。単純にこのデータを参考にすると、6月にマイナス幅が減少していることから、景気の底打ちの可能性が高いという結果を、このデータからも確認できる。

ただ問題は「季節調整」が行われていないことだ。転職市場、特に中途は季節による増減がけっこうあり、新卒対応で忙しい5月などは中途の受け入れも減りがちになる。こうした季節の値による増減を調整できるようになれば、転職市場における賃金増は大変興味深いデータになることだろう。季節調整が出来るようになる為には長い期間のデータを集める必要があり、少なくとも5年分くらいは欲しいところ。継続は力なり、ということで来年以降も続けてデータを収集してまとめて欲しいところだ。

転職市場における賃金の増減率というのは経済的にもビジネス的にも参考になりそうな気がするので、データは是非欲しい。

ちなみに不況期の転職者の91%が「転職成功」と答えている理由は、景気とかあまり関係なく、単に「不況期に転職できるような人は本来的な勝ち組」だからだと思われる。

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