● ドル円
「恐れるな!」と今週も週初から繰り返すことになってしまいましたね。
ただし今日の下落では、テクニカルな調整サイクルに加え、確固たるニュースも伴っているので、先の急落のときのように「買え!買うんだ」とはいえない状況です。その代わり今回は「慌てるな、耐えるんだ!」とでも自分に言い聞かせましょうか。
今週はGM・クライスラー救済の件も気になりますが、金曜日に控えている米国雇用統計も重石です。このところ米国の住宅関係の指標が予想よりもマシになっていることを背景に円安が進んでいる面もありますので、雇用統計の方が予想よりも顕著に悪化するようであれば、調整相場だったはずのものがホンモノのトレンドに変わる恐れすらあります。そういう意味では、水曜日のADP米国雇用統計も重要といえます。最近の雇用関係の指標は正直「パッとしない」という印象ですので、要警戒です。
一方日銀短観は、悪化していても改善していても円安要因となりますので、一時的な上下のブレはあっても、トレンドには影響しないと考えています。ただし、万が一突然、麻生首相が「解散」とか言い出して、かつ相場でリスク志向が高まっている後退している場合は円高パワーが炸裂する恐れがあります。この場合はもう、チャート云々ではなく投げを急ぐべき事態になると思われます。ただしリスク志向の改善局面中であれば問題ありません。
GMの件は突然にやってきた面があり、予想がつかないものです。しかしせめて、指標発表などあらかじめ予定・予想の立つものについてはコンティンジェンシープランを用意しておきたいものです。
もっとも、短期トレードが得意な人にはむしろよい稼ぎ場になるかもしれませんね。ちょっとうらやましい感じ。残念ながら私はそうではないのでポジションを少し落として、しっかり耐えます。もちろん、現状のポジションで利益が乗っているうちはという注釈つきですが(赤字を耐えてはいけない)。目論見が外れてまた上値ではじき返されても、半分は利確するというオーソドックスな戦術をしっかりとっていればどうということはありません。
ニュースによる下落に対して戻り買いを入れるかどうかは今週は判断に迷うところですが、少なくとも半端な水準での戻り買いや、投げ回数の増加に注意。96円台前半で一回、95円手前でもう一回、94円前後で最後にもう一回、といったところでしょうか。こうして回数を数えてみると、意外とリスクも限定的に見えません?
また今日は無理でしょうが、重要な上値抵抗99円を抜ければしっかりついていきたいところです。99円前後はダマシが多くなりそうですが、それこそ享受せざるを得ないリスクです。
買い側には厳しい環境が一気に到来してしまいましたが、3月はこのようなオーバーシュートを伴った激しい上下が何度もあったことを思い出しましょう。前回の94円チャレンジのとき程の確信はありませんが、今回も買いのチャンスを探ります。
目先のチャートを追うだけでは相場に飲まれるだけですが、無闇な逆張りは大怪我をします。バランスを取る為には結局、ノーポジションを駆使するか、黒字の間は上手く耐えるかしかないというのが、私が昨年学んだことです。
● 欧州通貨
リスク再燃を受けて、ユーロも下落しています。もうだいぶ下げてしまいましたが、ここは一発戻り売りでも狙ってみましょうか。逆にここから突っ込んで売るのはあまり良くなさそうです。
1.320および、1.328付近にそれぞれ戻り売りチャンスがありそうです。
一方買いは・・・・・、控えているイベントやユーロの本来的な弱さを考えてもここでリスクを取って買うほどのメリットはないような気がしますが、1.310あたりで一発、チャレンジしてみても良いかもしれません。もう一段の下値は1.300。ニュースなどの材料なしに下抜くのは難しいですが、やはりイベントリスクが気になります。
イベントをこなして上記の買い水準を維持していれば、ぜひ。
● オセアニア通貨
先週を振り返って見れば結局、0.705の重要な上値抵抗水準を越えていなかったことが分かります。0.708に抜けたときは、いける!とも思いましたが結局は誤差の範囲だったということでしょうか。
0.700を越えても0.705は重いという先週初の予想を思い出したいと思います。と、いいますか、そう自分で書いておきながら、一喜一憂しすぎ?各通貨で調子よく値が上がっていましたので油断があったかもしれません。
豪ドルの基本的な見通しは変えておらず、下がったところで買いを入れる戦略ですが、とにかく「利下げに注意」。0.5%を上回る利下げが合った場合はここまで積んできたポジションの処分も積極的に考える必要があるでしょう。
現在は「0.685までは普通に下落する」という予想をこえ、さらに下落中ですが、チャートを読んで一回買っておきたいところです。目安は0.6750。ただしとにかく利下げ動向が気になります。この懸念が取り除かれない限り、上値は限定的でしょう。やはり買いは耐える必要がありそうです。