Googleがブラウザ専用OSを開発

私は以前に「わざわざXPにダウングレードするなど、苦労に見合った効果のない行為。むしろブラウザの高速化に注力したほうが遥かに有意義」だという趣旨の記事を書きました。実際、ネットブックでブラウザ以外にOSを操作している時間がどれ程あるでしょうか?しかし、↓コレはアリかもしれません。

Google Chrome OS のご紹介【google】

Google Chrome OS の重要な要素は、スピードと使いやすさ、安全性です。ユーザーが数秒でコンピューターを立ち上げてウェブにアクセスできるように、非常に高速で軽量の OS を設計中です。ユーザーインターフェイスはユーザーの妨げにならないよう最小限に抑えられ、ユーザーエクスペリエンスのほとんどはウェブ上で提供されます。

Googlが考えるのは、ブラウザが起動するだけのブラウザ専用のOSです。

実のところその肝心のブラウザがネットブックには重い存在です。ネットブックではブログの更新もつらい。最近のブログがリッチテキストエディタがパワーアップしたりしていて、本当に重いんです。IE8.0あたりでは話にならず、Firefox3.5やGoogle chromeでまぁ実用に耐えるかなというレベルです。つまり、Windows上でどんなに軽量といわれるブラウザを動かそうと、まだ重い。

そういう意味でGoogle chrome OSは大変興味深いですね。ちょっと無理をしてでもVAIO Type Pにインストールしてみたいです。もちろん、Google chrome OSが載ったPCを買うのが一番でしょうけど、2010年後半まで待てないような気もします。

ただし、Googleのこの計画には懸念もあります。

私はネットブックを使っているときに、あまりにブラウザが遅いので、いろいろボトルネックについて考察してみたことがあります。そのとき分かったことは――

  • OSそのものの負荷は小さいようだ。CPU使用率の大半はシステムプロセスではなく、ブラウザのプロセスに費やされている
  • 画面描画の処理が重たいようだ。CPU使用率が50%程度であるにもかかわらず、ブラウザが止まるような状況に何度も遭遇している。(ちなみにAtomプロセッサはシングルコア)
  • Google chrome OSのベースとなるLinuxはビデオ描画の速度という面からは優れたOSとはいえない。(小難しい話をすると、LinuxのGUIはユーザーモードで動作するため、パフォーマンスネックとなる。反面、システムの安定性は増す)

もし、上記の通りだとするとWidnows 7に最新ブラウザを搭載した場合に比べても、大きなパフォーマンス差が出ない可能性があります。また何より、来年の今頃はネットブックももう少しパワフルになっているかもしれませんし。

まぁこればかりは想像するしかないわけですが、今年後半にもリリースされるといわれているLinux版Google Chrome(ブラウザの方です)を試してみれば、ある程度想像は出来るかもしれません。

むしろ、細かいパフォーマンスが云々というよりも、Google Chrome OSを搭載したネットブックはビジネスに向いているかもしれません。

これまでにも機能を制限したシンクライアントというPCが販売されてきましたが、ほとんどシェアを確保することは出来ませんでした。しかしネットブックがビジネスに耐えるシーン時代が訪れればGoogleのこのOSは大きな武器になるでしょう。具体的には、Googleの各種WEBサービスがビジネスでの利用に耐えるほどに高機能化&普及すれば、という意味です。

このGoogleのOSはネットブックをさらに安価にし、ビジネスでGoogleのウェブサービスを利用することをさらに促進するでしょう。 なにしろ、Windowsのライセンス費を払わなくていいんですから。また企業にとってはPCの保有コストの他、管理コストへの革命にもなるかもしれません。Googleはセキュリティの懸念を払拭すると主張していますから。

そんなバラ色のビジネス環境が訪れる・・・、かどうかは正直分かりません。ただし、ITビジネスにおいては常に、価格破壊を主導する側が生き残ってきた事は覚えて置いた方が良さそうです。ビジネスマンとしては、Googleの提供するスキームが魅力的であるならそれに乗るだけです。

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