都議選は与党惨敗となりましたが、株は政局混乱による売りで反応したようです。元々売り地合ではありましたが、9200円台では支えられると考えられた目処を一気に下抜け、9000円割れを襲う水準となっています。やはり一定の影響はあったと考えるべきでしょう。これを書いている段階では、米株が多少反発していますので9000円割れは避けられそうですが・・・・。
しかし 冷静に考えればこれは妥当な反応です。民主党は第一党とはなりましたが、単独過半数を確保したわけではありません。これはつまり社会党や共産党などなどと協調しなければならないということです。
つまりキャスティングボードを握っているのは現在の少数野党ということです。今は自民党という敵の前に一致団結していますが、いざ都政を握ったとなれば、そのような団結は期待できないでしょう。正直、例えば共産党に妥協という概念があるとは思えませんしね(そこが人気のヒケツ?)。
これは「自民党が、民主党が」という二大政党のどちらがいいかという以前の状況で、政治が不安定化すると考えるのが当然でしょう。何も決まらない、何も進まないという現在の状況が繰り返される恐れがあります。
国政においてもこの問題は同じことです。政権が最低限でも機能するためには「自民+公明」という現在の枠組みか、「民主単独過半数」が必要です。
よく民主党の政権担当能力についての議論が交わされていますが、正直そこは大した問題ではありません。――民主党以外のその他野党の政権担当能力に比べれば。
この後はこのまま衆議院選挙になだれ込むわけですが、最悪のシナリオは「野党連合で過半数」でしょう。この場合、政治リスクに重きを置かない日本人投資家もさすがに売りで反応すると思います。
一方、「与党過半数維持」「民主単独過半数」であれば大きな影響はないと思われます。与党過半数維持の場合はねじれ国会継続というリスクがありますし、民主単独過半数の場合は政策実行能力懸念があります。双方、政治リスクは現在と大きく変わらない(かなり悲観的な内容が織り込み済み)と考えら得ますから、市場の反応はごく一時的なものにとどまるはずです。
まぁ、与党もここまで支持率が落ちてしまったら、そうそう挽回は不可能でしょうが・・・・。決断出来るチャンスはいくらでもあったはずなんですけどねぇ。個人的には福田元首相の方がリーダーとしてはどちらかというと優れていたと思いますよ、私は。辞めタイミングのはかり方一つとっても。