「官製バブル」の行方 中国経済の回復は本物か【MONEYzine】
すでにいろいろな所で指摘されている点ですが、このGDP統計の振る舞いが発電量など他の経済活動を示す指標と一致しません。発電量だけでなく、荷物運送量統計など前年比マイナスになっている指標がある中で、GDPだけが安定した数字を保っています。
断言しますが、中国の発表するGDPは明らかに操作されたモノです。今月発表されたGDPなどは明らかに怪しいでしょう。何故GDPだけ市場予想通りなんですかね?他の数値は下方修正されているに・・・・。
発表される数値は、中央政府が積極的に操作している可能性もありますが、むしろ深刻なのは各地が責任逃れの為に数値を調整して報告している場合。誰かがコントロールしているわけではなく、皆が皆嘘をつているワケですから、ある日突然嘘が一斉に破綻するというようなリスクをはらんでいます。
まぁでも、日本も官僚が数値をいじって報告していたとかは昔はよくありましたから(今でも?)、どうという事はないという考え方もあるかもしれませんね。日本の場合はそうした努力の結果、発表されるあらゆる数値が海外から信用されなくなったという過去がありますけど。
結局現在のところ、中国への投資はこうした不確定要素を享受するしかない状況なのです。そして「いつの日か必ずバブルは崩壊する」と誰もが思っています。どんな投資家も心の準備は万全です。問題は「どこからがバブルでどこまでならバブルでないのか」を判断する材料すらないことで・・・・。また、かつての日本があれだけ嘘を重ねてもこれだけ成長したことを思い返せば、中国の現状を見て「コレでは成長しない」と断ずることも出来ません。
多くの投資家は、物差しがない中、手探りで中国という国に値段をつけて行かざるをえないでしょう。そしていざバブルが崩壊したときに身を助ける唯一のものは「いくら損したら撤退するのか決めておく」という当たり前のルールだけなのです。
ただ最後に――。その当たり前のルールを守る人は意外に少なく、むしろ自らルールを破って市場から撤退していく人の方が遙かに多いという事実は書き加えておきたいと思います。