Voice Writing Light Edition【Vector】
スライダーで再生範囲を選択したり、指定区間を繰り返し再生したり、任意位置にインデックスを設定して、瞬時に移動したりといったことが可能。エクスプローラ風のフォルダ+ファイル表示領域で音声ファイルに対するファイル操作を行うこともできる。ほとんどの操作をキーに割り当てることが可能で、キーボードから手を離さずにテープ起こしに集中できるよう工夫されている。
このソフトは本当の意味での『テープ』を扱うわけではなく、ICレコーダーのデータを扱うわけだが、世の中では実はまだまだ本当のアナログテープを使っている人が多い。
例えばプロのカウンセラーなども今でもテープを愛用している人が多いのだ(私も一応産業カウンセラーの資格を持っています)。カウンセラーの仕事の9割は人の話を聞くこととその聞いた内容をテープ起こしして分析する事に費やされているため、テープ起こしの重要性はかなり高い職業だ。そのプロがICレコーダーではなく、アナログテープを今でも愛用している。テープを回しながら、パソコンに向かって文字を打ち込むのだ。
こんな事をする理由はただ一つ。PCの再生ソフトの出来が悪いからに他ならない。特に、同じところを何遍も繰り返し聞くような時が、つらい。しかもカウンセラーはそのときの言葉の内容ではなく、声音・トーンといったものからクライアントの感情についても書き起こさなければならない分、さらにつらい。
PCの再生ソフトは音楽を聴くためのソフトであって、人の話を繰り返し聞いて分析するためのソフトではない以上、まぁそれも仕方のないことだ。しかしこのソフトを使えば、そんな悩みはたちどころに解消されるだろう。繰り返し再生の機能だけでなく、様々な操作をキー一つに割り当てる事ができる。
ちなみにアナログテープの致命的な欠陥として、耐久性と保存期間の問題がある。これについてはわざわざ語るまでもないだろう。貴重な録音データがそんなことで失われるのは大変惜しいことだ。このソフトをきっかけに、アナログテープの撲滅がさらに進むことに期待したい。