レバレッジでレバレッジを制す、ガイトナープラン

情報BOX:米財務省による不良資産買い取りプランの詳細【ロイター】

確か発表当時、ガイトナープランの発表後数時間もせずに市場は好転したと記憶している。そんなにそんなに素晴らしいプランだったということだろうか?だが、詳報を読んでもしがないシステムエンジニアである私には意味がさっぱり分からない。分かったのは、ガイトナーがひとまずは難局を乗り切り、男を上げたということだけだ。

その後、エコノミストなどからもプランの詳細に対する評価が上がってくるようになったが・・・・、

(PDF)金融安定化 ガイトナー・プランをみる眼

だが、この複雑怪奇なスキームが一体何なのかという実体論は、時間が経過していないこともあって、統一的見解には至っていないように思う。

どうやらプロでも直ぐには見解をもてないような複雑奇怪なものであったらしいということが新たに分かった。そんな複雑奇怪なプランをプロの投資家達は1時間もかけず読みこなし、買いに転じたというのだろうか?


そこは断言するが、そんなことはない。素人にも直ぐに分かる概要の部分をまとめると以下のようになる。

  • レバレッジも駆使し、投入資金の10倍以上の不良債権を買い取る
  • 民間のファンドも参加できる。それはしかも、そこそこオイシイ
  • あとは複雑でよくわからない。しかし複雑なプランなのできっと良いプランだ

 

結局はこれらの部分だけが評価されて相場は上げたのではないだろうか?特に注目なのが

  • レバレッジの駆使
  • 複雑でよく分からないプラン

 

という2点で、これはまさに今回の金融危機の諸悪の根源ともいえる要素だ。複雑奇怪で良く分からない証券化商品をレバレッジを掛けて買いまくっていたかつての時代のことが思い出される。

いわば毒をもって毒を制するのがガイトナープラントといえそうだ。もしこれが日本なら、マスコミあたりから感情論が噴出して、ガイトナー叩きが始まりそうな勢いである。まぁ、一般紙あたりではそもそも「複雑であることを理解することすら出来ない」と思われるがそれはさておき。実際冷静に考えてみると、これは極めて合理的で理にかなっている。

相手はレバレッジの原理で何十倍もの損失を出した不良債権。そんなものに普通に現金をぶつけてもまさに鉄砲に素手で挑むようなものだ。そして、諸悪の根源である投資銀行は顧客を騙し続けて、結果としてその損失は国に付け替えられた。国としては彼らを騙し返して、むしろ多くの金を奪い返さなければならない。彼らに尻拭いをさせなくてはならない。

一部のファンドは早速ガイトナープランに興味を示し、参加を検討している。そんな彼らが後で「騙された!」と思うかどうかは米国の復活次第だ。彼らにとっては結果が全て。途中のプロセスで騙されていたとしても、儲かってさえいれば全く気にしないだろう。

実際このプラン、上手くやれば十分儲かる。レバレッジパワーのおかげだ。

官民投資基金は、民間出資額の14倍の規模の不良債権の買取りが可能になる計算である。このファンドのうま味は、不良債権をディスカウントして買うときに、もっと大きくなる。

数値例を使うと、民間金融機関がバランスシートに抱える100万ドルの不良資産を3割引の70万ドルで買ったとしよう。そして、その不良資産が平時に年率7%のインカムゲインを生んでいたとすると、官民投資基金の総資産利回りは10%になる。負債コスト1%とすれば、資本利回り(出資金の収益率)は64%にも達する(図表2)。

民間出資金は、不良債権がデフォルトになって、清算価値が3割以上失われると毀損するが、2年間程度保有していれば、インカムゲインで投資額を回収できるうま味がある。つまり、民間投資ファンドは、公的資金を使った高レバレッジ運用が可能だということである

米国は危機脱出のために、本当に手段を選ばないつもりのようだ。そんな中、日本では政治がもうしばらく停滞する予定であるが、心配には及ばない。

トヨタ社長「5月はライン休止日設けず」 減産緩和へ 【日本経済新聞】

トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は26日、「5月は(減産のための)臨時のライン休止日を設けない」と述べ、4月までに比べれば減産を緩和する方針を明らかにした。世界的な自動車販売の不振を受け、足元では前年と比べて半減の稼働状況が続いたが、「4月までに適正レベルの在庫になる」としている。

日本ではもはや誰も政治に期待などしていないから、民間が勝手に景気を回復しようとしている。その証拠に、どのような政治スキャンダルが報道されようとも、日経平均は微動だにしないばかりか、上昇の一方である。

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