相場見通し

すみません、ようやく、復活。お待たせしました。
誰も待っていないという声は聞こえてきそうですが。

● ドル円

ズルズル、下落ペース。日足でじっくり見てみると典型的な長期下落のフォーメーションを形成しており、誰もが注目する心理的目安、95円を上抜かない限り、下落傾向が続きそうです。

米国の自動車購入補助の恩恵をもっとも受けたのは日本だったことが明らかになっていますが、例年実需で売られやすいこの8月にこんな状況ですから、円高が進むのもムリはありません。また、海外勢は日本の政治リスクの後退(党が云々というよりは、ねじれ国会の解消による政治安定化)を折り込みにかかりましたので、その影響もあるでしょう。

9月は9月でまた考え直す必要がありますが、目先、特に月曜日と火曜日は「事実確認の買い」や「実需弾切れ」で反動が出る恐れがありますので、ドル円を売り込みにかかっている場合は要注意です。

● ユーロ

要警戒局面。上下に激しくブレましたが、1.440前後の巨大オプションに俄然注目が集まっています。

ダブルノータッチオプションの上側が1.445付近に設定されているなどの噂があり、真意は定かではないとはいえ、値動きを見る限りは何らかの巨大オプションがあることは間違いなさそうです。先週はこれらのオプションを狙い、メジャープレイヤーが1.440前後の損切りを一気に狩りにとりつつ攻める戦術をとったようですが、失敗。この動きの分だけユーロが大きく上下しています。

しかし折からのリスク志向&ドル安局面に支えられ、いまだユーロは高水準に位置しており、このまま1.445より上に放たれれば、上方向への大相場となりそう。大量にたまった売りの損切りを巻き込み、さらには日足の長期トレンドラインをも上抜けることになります。1.450の心理的節目のオプションも予想はされますが、ここまでのレンジ相場でため込んでいるエネルギーが尋常ではないため、上に放たれさえすれば一気に刈り取られることでしょう。

目先の戦術としては、1.4420~1.4450に逆指し値を置き、1.440を下回っている間は繰り返し売り込む。上抜けたら即座に売りから撤退。二回分のトレードに相当するポジションを買いで建て、少なくとも1.4450を狙い、後は成り行きで行けるところまで伸ばす。

と、いったところです。このところ市場センチメントが安定していることもあるので、ここはテクニカル重視で。もくろみが当たるかどうかは別にしても、凄く面白い状況になっていると思います。

● 豪ドル

節目である0.84を上抜けてきています。米株が明確に節目を上抜けたことの支援を受けており、細かな戻り買い戦術でしばらく上値を追うしかないでしょう。これはこれで、かなり厳しいと戦いと思います。

ただファンダメンタルズ面に目を向けると、中国の失速や、原油価格が節目の75ドルで抑えられやすい点、さらにコレに加えて0.850ドルに予想されるオプションなどがあり、上抜けは簡単ではないと思います。

私は0.90の達成を見込んではいますが、それは金利が上昇することが前提です。現在はまだ時期尚早でしょう。

● 日経平均

株はやっぱり、まだまだ難しい・・・・・。

調整局面入りか!と思ったその翌日にダウが重要水準9400を一気に上抜け。テクニカルにも明らかな再上昇局面に突入しています。週末はダウのみ若干下げましたが、これは明らかにテクニカルなもの。調整売りどころか「ディフェンシブ銘柄を売って、ハイテク銘柄に乗り換える」などの挑戦的な動きが出てきています。この結果、ディフェンシブ銘柄が値を下げたためダウ平均が下落しました。

これが意味するところは「割安感で株を買うフェーズは終了し、業績の実態で株を買うフェーズに移行した」ということです。さすがにそれはやり過ぎだろうと思っていたのですが、週末はインテルやデルの業績改善見通しが立ったため、そうした動きにいわばお墨付きを与えてしまっている状況です。私も、インテルの見通し修正やデルの決算を見る限り、その見通しはある程度正しいと感じています。いわば「論理は正しい。だが実体は・・・・」って感じ。

ここまで90日の移動平均にすらタッチしていないことが気がかり。特にディフェンシブ銘柄から、より値動きの激しい株に乗り換えるような投資家が出てきてしまったこの状況では、いざ調整相場が起きたときの威力はそうした経済実態を無視するほどの威力となって相場に襲いかかるはずです。値動きが激しい株に乗ってしまった投資家はそれなりにリスクを取っているという自覚もありますから、いざ市場がネガティブに振れたとなれば動きも速いでしょう。

ここから買いのチャンスを探すとすれば、それは相場が再び恐怖に支配されたとき。具体的にはVIXが再上昇トレンドに転じるような状況です。残念ながら今はまだ、そんな状況にはほど遠いです。今あるポジションを伸ばすことに専念するか、我慢できそうになければ、まぁごく短期のポジションで上値を追うか、ですね。

なお、ダウは9500ドルよりも、9300ドルあたりを割れてきたときを警戒シグナルの目安にしましょう。9500ドルはせいぜい良い押し目買いのチャンスくらいに思っておいていいでしょう。

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