民主党政権にセンシティブになっている米国。既に無関心な中国

民主党圧勝を織り込んでいなかったのは日本市場だけ。海外では民主党単独で320議席超を予想していたような報道もあり(320を越えると参院で否決された法案も単独で再可決ができる)、政治安定性という事に関してはむしろ若干の下ブレとすらいえる。

ここまで政治リスクの後退を背景に日本株や円は追い風を受けていたが、少なくとも今日以降は追い風はなくなるだろう。それは今日の日経平均の値動きを見ても分かるはずだ。午前中こそ急速に上げたものの、以後急速に失速して、マイナス圏に転落した。

だがまだ、海外勢が織り込んでいない材料がある。それは民主党の外交路線現実化だ。

日本国民が外交の改善を期待する国としては、米国と中国で6割を越えており、日本国民は経済の厳しい中やはり大口の「お得意先」との関係改善を期待しているのがわかる。ただ、対米国についていえば、現状で既にかなり良好であるので、これは期待というよりは民主党政権に対する警戒と見ていいだろう。

一方、米国では民主党が対米強硬路線をとるのではないかという事についてかなりセンシティブになっている。

ブッシュ前大統領によってもたらされたアメリカの孤立路線の修復や、が終わっていないためだ。そうした懸念に対して、米国では専門家の見方も分かれており、民主党が現実路線化することに対する期待も高いようだ。

(PDF)日本の「民主党新政権」を米国はどうみるか?~米国の対日専門家の見方~【MUFG】

民主党指導者は過去のマニフェストが負の財産であることに気付き始めていると指摘。

古いマニフェストに盛り込まれていた日米地位協定の改定や、インド洋における海上自衛隊の給油活動の打ち切り、在沖縄米軍の県内移転に反対するなどの公約は、本年7 月の新マニフェストにおいて修正されたこと、また最近は鳩山代表、管直人氏、岡田克也氏は、訪日する米政府関係者や学者との会談において、古いマニフェストの詳細について触れるのを避け、もっぱら同盟関係への取り組みや、より「対等」で「バランスのとれた」「オープンな」対話に向けての説明に徹していることに注目し、民主党は「選択肢が①同盟関係の中核部分を改訂し、米国との争いに政治的資本を賭けるか、②党の外交政策路線を修正する代わりに、来年の参議院選挙での票獲得につながるような経済政策に専念するかの2 つであることに気付いた」と述べている。

ただ私としては、単独で320議席を確保できなかった民主党は参院でも過半数を維持する必要があるほか、他の連立小党にも配慮せざるを得ず、現実路線化はそう容易ではないと見ている。特に自民党が本気で「野党」をやる気になれば、国会対応の都合上も厳しい外交運営を迫られるだろう。もっとも、自民党が本気で野党をやればやるほど、次に政権を取ったときに自民党にとっての「負の遺産」が貯まっていくわけだが。

一方、日本では中国との関係はまだ悪いという認識が一般的なようだが(痛いネットウヨどもの活躍のおかげである)、既に現状で必要十分程度には改善している。理解も広がっており、ニュースの嗜好も以下の通りだ。

中国は「民主党政権」を歓迎してはいない【日経BP】

中国メディアが伝える日本の総選挙関連ニュースはさほど多くない。自ずと中国国民の総選挙に対する関心は低いままであるし、日中間に大きな懸案事項もないのが実情である。

これとは対照的に、非常に高い関心を呼んでいるのは「酒井法子(中国語読み:チョウジン・ファーズ)」の失踪、麻薬使用、逮捕劇である。

彼女に典型的な大和撫子(やまとなでしこ)と見なし、優美で、可憐で、謙虚な理想的な女性像を重ね合わせていた中国のファンたちは大きな衝撃を受けた。この事件はファンたちにとってまさに“変天”であったと言える。

土曜日に美容室に行ってきたが、我が国の主婦の話題は選挙などそっちのけで酒井法子一色だったそうで。まぁある程度国が豊かになれば、そんなモンかも知れない。ある意味、日本と中国の文化交流は進展し、発想が似通ってきているような気もするので、多少ぶつかるくらいは差し支えないだろう。

もっとも、中国に対しては今後は特に、資源外交などでは強気に出ておいた方がいいのは間違いない。

ここ数年、統制のとれた国家戦略を用いて大きく発展してきた中国だが、異常な好況を背景に国家戦略の統制がとれなくなりつつある。一見、国の利益のために行動しているように見えて、その実は『役人の私利私欲や利権のために』行動しているという事例が増えてきている。日本人にとっては慣れ親しんだ光景ではあるが。

従って中国に対しては大局でのの協調路線は演出しつつも、個別の外交課題では強硬姿勢をもって応じることが必要になってくるだろう。基本的には「恩を売る」というメリットの低い国でもあるので、ビジネスライクな対応がいいと思う。官僚国家の官僚という種族は、恩をを知らず、責任を負わず、権利だけは強硬に主張するものだ。中国の挫折が何年先になるかは分からないが、そんな連中を相手に恩を売っても、むしろ将来の中国国民の恨みを買うだけだ。

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