500万円のパソコン?

この出来損ないのデスクトップ機のようなマシンが500万円。桁間違いではない。5メガ円だ。

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その名もSun Ultra2。確かに値段はUltraだ。
筐体は黄ばみ、周りにはガムテープの粘着分がこびりついている、安物デスクトップのようなこのマシンがSunのワークステーション(超凄いパソコンの事)だとは思いもよらなかった。

もっとも、いくら当時高級なワークステーションだろうが、会社一のケチを自負する私にとっては、こんなものが会社にあったという事実それ自体が、怒りのタネ以外のなにものでもない。何しろ、紙カップコーヒーのお湯も若干多めに入れなければ気が済まない私だ。そんな私が最近構築した社内の開発用サーバーの値段などは、特価3万5000円である。桁間違いではない。

怒りのあまり500万円マシンのことが気になって仕事が進まないため、ネットで情報を探してみたところ、Sunのプレスリリースのキャッシュが見つかった。

「Sun Ultra 1」と「Sun Ultra 2 」は、業界最高レベルの性能を低価格で実現した、競合他社を寄せ付けない、非常に価格性能比の高いシステムです。

ちなみにこのマシンが発売されたのは1995~1997年にかけて。1997年は、日本でLinuxディストリビューションが本格的に販売され始めた年でもある。この頃からいわゆるIAサーバーが日本でも広がりを見せ始める。

IAサーバーというのは、我々が一般的に使っているパソコンの技術で作られたサーバーの事だ。昔はサーバーといえば、まず専用部品を設計して、それを少量作って組み上げるというのが普通だった。ところが、汎用部品が用いられたIAサーバーは、大量生産による低コスト化が容易で、それまでのコンピューター製造業を次々と駆逐していった。

それはSunも例外ではなかった。IAサーバー、IAワークステーションによって、Sunの市場も淘汰され、ついに先頃Oracleに買収された。まぁこれも時代の流れというものだろう。ちなみにワークステーションという市場は、実質的に既に、ない。普通のちょっとイイパソコンでそれらの用途が代用できるようになったためだ。

現在はサーバーのちょっと性能のいいヤツでも、お値段は50~100万円くらいだ。今はそれが常識的値段だが、5年後には「100万も出してサーバー買いやがって」といわれることは間違いない。「いいものを作るにはカネがかかる」そんな当たり前のセリフはIT業界では通用しない。

いいものだが安くできる。それがITの革新であり、怖さでもある。

1件のコメント

  1. お久しぶりです。
    昔このサーバ使っていました。こんなサーバ使わなくてもIAでもっと安くできると思って1Uサーバ並べていた頃わくたまと一緒にしごとしていました。確かに安くなりましたが、熱暴走でえらい目にあいましたね

    2014/05以後更新されていないようですがどうしてます?返信くれるとうれしいです

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