1Uに2台入れられるmini-itx用ラックマウントケース

C147 ( 1 U / Mini-ITX 2 台収容 / 奥行約 38 cm / 220 W 電源 2 台搭載 )1U ラックマウントケース

 

最大の驚きはこんなモノがAmazonで買える世の中になったということだったりするかもしれませんがw

こうしたケースに、昨今話題のAtomサーバー用マザーボードなどを組み合わせることで、ラック内に隙間なくサーバーを敷き詰めて運用することが可能になります。ちなみに既製品もありますので、特に難しい技術を使う必要などはありません。ただ単に「Atomサーバー一丁!」と発注さえすれば良いのです。

IT業界では既にサーバー貸しの分野は物量戦に突入して久しいのですが、ここに一つ、誤解されやすビジネス上のポイントがあります。

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通常ビジネスというのは『先に参入した方が有利』というのが大原則です。これは参入障壁などともよばれ、これまでのビジネスは全て先にビジネスに着手した方がより有利であり、またこの参入障壁を以下に高くするかが重要と考えられてきました。参入障壁の重要性はIT業界においても代わりありません。

ところが。サーバー分野においては常に『後から参入した方が有利』なのです。その理屈は単純で、サーバーの価格というのは技術革新によって倍々ゲームで低価格化してきたためです。

以前に『500万円のパソコン?』というのをご紹介させて頂きましたが、15年も前はそれくらいの価格が当たり前だったのです。今では5万円のパソコンなんてのも普通にあります。代表的なデフレ銘柄ともいえれうIT業界では、このくらいの価格破壊は当たり前です。

こうした低価格化がすぐにサービスに反映できるなら、苦労はありません。しかし現実には、サーバーを購入した場合はその価格を5年間程度を目安に等分して顧客に請求するというようなビジネスが行われています。つまり最悪の場合、5年前の仕入れ価格を現在のサービスに反映させなくてはならないわけです。

すなわち、IT業界におけるサーバー貸しの分野は物量戦の恐ろしさというのは、後発組が既存組に負けるという恐ろしさではなく、既存組が常に後発組に不利な戦いを強いられるという点にあります。

ただし、こうした問題に対策はある程度確立されていて--

  1. サーバーのコスト回収期間を短く設計する(期間が長ければ長いほどデフレ状況下では不利になる)
  2. ソフトウェア・サービス側で付加価値高める。
  3. セキュリティなどキーワードに複雑な構成を顧客に押しつけて、新しい構成にリプレイス出来ないようにして、囲い込みを謀る

上記のいずれかが取られるようです。もちろん理想は2番ですが、現実にこれを達成できている例はほとんどなく、自覚なく1か3を行っている場合が多いようです。あるいは自覚をもって積極的に1や3の施策を行ってきた企業は業界内では勝ち組側にあります。

3あたりは「ビジネスマンとして恥ずかしくないのか!」と問い詰めたくなりますが、残念ながら現実は、誠意あるビジネスがいつも勝つとは限らないのです。そうした状況を変えていくためのアイデアは私自身のビジネスプランの中にはありますが、今日のところはそれはさておき。 

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このようなIT デフレの状況はいつまでも続くわけではありません。ある瞬間に低価格化の限界ラインを迎え、低価格化が止まることで「既存組が有利」という通常のビジネスにパラダイムシフトが起きることも想像に難くないでしょう。問題はそれが1年先か、5年先か、10年先か、あるいはもっとか、いつ訪れるのかが分からないことです。

いつ訪れるのかが分からないものを期待してビジネスを組み立てるわけにも行かない以上、これまで通り、愚直に前述の3つの取り組みの中からどれかを選んで戦い続けるしかありません。その戦いの矛先は、既存の競合企業だけではなく、まだ見ぬ新参企業にも常に向けられなければならないわけです。

もっとも、新参企業と戦うばかりが解決策ではないかもしれません。新参企業とさえ協力し、その力を活かすことが出来るビジネスモデルがあるなら、ITデフレの時代でも勝ち続けられるはずです。

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