ネットがTVを駆逐する、とは単純にはいかない

ネットがTVを駆逐するという言説はもう10年も前から続いていますが、その言説には微調整が必要なようです。

ネットとテレビを同時に視聴」が急増:調査結果【WIRED VISION】

一般の米国人がインターネットとテレビを同時に利用する時間は、1年前と比べて35%増加しているという。

Nielsen社による 2009年第4四半期のデータによれば、平均的な米国人消費者がテレビとインターネットを同時に利用している時間は、1カ月 あたり約3.5時間だという。月に1回以上はテレビとインターネットを同時に利用すると答えた者は59%近くにのぼり、この割合は2008年の57.5% から増加している。

私も偉そうに言っていますが、実のところそのことに気づいたのは、ここ1年くらいの話。TVを見ながらTwitterを使うようになってからです。『ガイアの夜明け』とかはかなり意識してTwitterを起動しながら見るようになりました。

ここから分かることは、結局ユーザーは最適な道具&エンターテイメントを使い分けているということです。TVに与えられたスタイルは簡単には変化せず、もしかしたら今後10年も20年も、TVは今の「受動的エンターテイメントの柱」としての位置づけを維持するかもしれません。

ただ、ここで注意すべき事が一つあります。TVとPCを同時に起動して、同時に見て・使ったからといって、その人の時間が2倍に増えたわけではないのです。見かけ上の視聴者数は増加しますが、ユーザーの注意は単に二つのメディアに分散しているだけです。このことが広告効果に大きな影響をもたらすであろう事は、誰にでも想像できることです。

現在、広告業界や広報部門の興味は、その広告がどのメディアで配信されているかよりもむしろ、「どの程度の効果を上げているか?」です。ネットに限らずTVでも、広告主は正確な広告効果の把握を求めています。単にネット広告が拡大していると考えるよりは、より正確に広告効果を測定できるソリューションを求めていると考えてもいいかもしれません。その要求にかなっているのが、今はたまたま、ネット広告しかないというだけで。

そのように考えれば、TV業界が目先取り組むべき事は、あまりにいい加減な指標である『視聴率』から脱却し、より正確に広告効果・投資対効果を測定できるための仕組みを整えることかもしれません。その効果範囲にはもちろん、ネットへの波及効果というのも含まれているべきです。

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