金融危機を通じて理解しなければいけないこと

今買うなら大手株?環境株?エンジニア500人の投資術【Tech総研】

これまでは日本と海外の金利差が、為替リスクを十分カバーしてくれていたが、今はその見通しが立たない。
「もし為替変動の見通しが明らかに立つ人ならば、外貨投資もいいが、そんな人は世の中にいないでしょう」
外貨預金やFXについては、投資環境としては「今が一番厳しい」という判断だ。

金融危機後では私は随分いろいろな事を学ばされましたが、どうやらプロの中には未だに旧時代の、しかも必ず損をする考え方で金融商品を勧めている人がいるようです。

確かに、為替変動の見通しが明らかに立つはいないと思いますが、ではディフェンシブ株の見通しなら明らかなのでしょうか?

また、そもそも「これまでは日本と海外の金利差が、為替リスクを十分カバーしてくれていた」などという考え方が、誤りであったことを多くの人が学ばされたはずなのです。昨年前半まで値動きのリスクをカバーしていたのは「一方的な円安」です。金利がリスクをカバーしていたのではなく、単に為替差益が「上がる」方向に偏っていただけです。その為、本来的リスクが一気に噴出した去年の後半から、金利重視派が次々に倒れていきました。為替が本来的に持つ値動きのリスクは、金利収益で簡単にカバーできるようなものではなく、潜在的に元々存在したリスクなのです。

為替差益のリスクを金利差が埋めると称して金融商品を勧めるのは、極めて嘘に近いとすら思えます。

その証拠に、機関投資家はわざわざ高いお金を払って値動きのリスクをヘッジするサービス(オプション)を購入しています。もし本当に金利収入だけで値動きのリスクをカバーできるなら、そんな商品必要ないですよね?

要は、値動きのリスクは、配当や金利などでカバーできるものではないということです。もっと言えば、安全な株などないし、安全な為替もないということです。

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では、プロの目からすると、ズバリどんな銘柄が買いなのか。
「景気変動の影響を受けやすい高額商品を扱っている会社の株は、今は避けたほうがいい。自動車も現在は、不要不急の高額商品になっています。反対に、食料、エネルギー、薬品、鉄道、通信といった日常生活に不可欠なモノやサービスを提供している会社の株──いわゆる“ディフェンシブ銘柄”は不況のときに強いと言われます」(関根さん)

先のエンジニア・アンケートでも、このディフェンシブ株が「買い目」と言う声があった。

さて、ここまでの話を踏まえた上で、さらに。
投資で愚かな行為の代表例は以下のようなものです。

・不況の底で貯蓄を勧め、
・好況の絶頂で株を買えと進める

デフレではデフレのダメージを最大限受けるように行動し、インフレ下ではインフレのダメージを最大限受けるように行動する。上記2つの行動は、景気の波によるダメージを全て受けるような行動といえます。

例えば、今はデフレの絶頂ですから今貯金をした場合は、今後インフレが進展することによって減価します。ジンバブエとかを例にすると行きすぎですが、貯蓄の欠点をイメージするにはよいでしょう。つまり、貯金をしたら価値が減らないというのはまやかしで、今貯金してお金を寝かせておくだけで、今後は価値が減っていくのです。

逆も然り。好景気の絶頂、つまり天井で株を買う行為の愚かさはもはや言うまでもないことです。

さて、今日も日経平均の上昇が止まりませんでした。

[ディフェンシブセクター]安値更新目立つ、「お役御免」の様相も【日本証券新聞】

景気敏感株主導で買い戻し人気を集める最近の流れに対し、この手の銘柄群には当面、「お役御免」のムードが漂っているようだ。

今から敢えてディフェンシブ銘柄を買うという行為は「不況になったら貯蓄を勧め」というのと全く同じことです。逆に以下は

「自動車はハイブリッドカー、電気自動車などへの期待感があるのでしょうが、それらが世界で本格的に売れ出すのはまだ先のこと。環境株も、10年、20年を考えるのならよいが、1年、2年での値上がりや配当を期待するのは難しい」と関根さん。

好況の絶頂で株を買う、つまり天井を買うことと同義です。実際に売れて、業績がよくなっているころには既に十分、株は値を上げています。本格的に売れ出してからでは手遅れなのです。

まぁでも、それも短期取引でならアリかもしれません。
投資には順張りと逆張りという考え方があります。順張りは値段が上がっている株などを追っかけて買うこと。逆張りは値段が下がっている株などを、敢えて「この辺が底値だろう」と考えて買うことです。使い分けとしては以下のように考えられています。

・長期投資ほど逆張りが有利
・短期投資は順張りが有利

ところで、記事の文章を読む限り配当を見込んだ長期投資を期待しているように読めるのですが・・・・。天井に近い株を買うリスクを知っている人は、それがチキンレースであることを理解していますので、逃げるのが早く、損失も限定的です。しかし、配当がチキンレースの被害を埋めてくれることを期待している、もしくはチキンレースであることすら知らない人は――、奈落に突き落とされます。

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経団連:資産運用の指針なく、評価損20億円 役員3人減俸【毎日新聞】

経団連はこれまで資産運用について運用指針は定めておらず、為替レートによって価値が変動する高リスクの金融商品を購入したことから損失が発生した。御手洗冨士夫会長は同日付で事務総長ら3人を3カ月間10~30%の減俸処分にした。

経団連もこれが危険な商品だとは全く考えていなかったんじゃないかと、私は思っています。リスク商品による被害は学校法人などにも拡大していますが、ほぼ全ての事例において「”比較的”安全な商品」として勧められ、複雑な金融商品を購入した結果でしょう。

安全を追求してリスク資産を購入する本来的な矛盾をよく表していると思います。リスク資産に安全なものなどありません。そのリスクといかに戦うか?それが重要です。

それにも関わらず多くの”専門家”といわれる人が、リスクから逃れることが出来ると称して、金融商品を勧めます。「この商品ならより安全である」そういって実際には自覚なく、常に最も危険で損をする金融商品を勧めているのです。

また「ディフェンシブ銘柄」の話を蒸し返しますけど、

・そもそも値動きが激しくて危険なら、買う量を減らせばいいじゃないですか
・個別企業の株を買うのが不安なら、ファンド(ETF)を買えばいいじゃないですか
・さらに株価が下落すると予想するなら、貯金してればいいし、
・そもそも株価は既に、上がり始めている。

「より安全」と称してリスク資産を売るプロは、期待値計算すらしていない場合が有るようです。その株が、何円損をする可能性があり、何円まで上がる可能性があるのでしょうか?

安全を称してリスク資産を売る専門家は、根本的なリスクに対する考え方を、改める必要があると思います。

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