早くもインフレの兆候確認。金融規制強化を急がなければ大変なことに

G20が1.1兆ドルの危機対策で合意、規制強化やIMFへの資金拠出も【ロイター】

G20会合では、制裁につながる可能性のあるタックスヘイブン(租税回避地)のブラックリスト公表や、初めて大規模なヘッジファンドや格付け機関を監視することで合意した。

オーストラリアのラッド首相は「この日の合意は、世界の市場を崩壊させた金融市場の『カウボーイ』摘発を始めるもので、あらゆる面に影響を与える」と述べた。

G20では規制強化について合意があり、未来は明るいように思われますが、もしかすると我々はもっと規制強化を急がなければならないかもしれません。
今、インフレの兆しが現れ始めていると言ったら、皆さんはどう感じますか?


こんなに上がっている【野村雅道と楽しい投資】

ニュージーランドとともに住宅が好調、資源価格も堅調でインフレの兆しもある。利下げしたいのはGDPがマイナスゆえ。ただTD-MIインフレ指数は3月は-0.1%であった。

たらユーロが0.25%の利下げに踏みとどまっていることは、今までのような何でも利下げの雰囲気ではなくなっている。

確かに、資源価格は底打ちして上がっている。最近は株価回復も話題になっていますが・・・・、まぁとりあえず目先については、どうせもう一度厳しい下落が待っていると思いますので(大底は割れないまでも)、現在のような景況感がそのまま続いたりはしないでしょう。

しかしそれでも、我々はもっと急ぐべきです。

何故なら、政策金利はそれこそ1ヶ月か2ヶ月もあれば、上げたり下げたり出来ます。国民の投票なども不要で「利下げしろ」とかしか言わないエコノミストさえ無視すれば、利上げをすることは難しくありません。

ところが『世界的な規制』などというと、全く話が違ってきます。各国がそんなに簡単に協調出来るはずがないことは誰もが簡単に想像できることです。各国が合意に要する時間はどのくらいでしょうか?1年?2年?もしくはもっとでしょうか?少なくとも米国だけがやる気でも、仕方のないことです。

 

ガイトナー発言の衝撃【Klug】

米国内での足並みが揃ったとしても、ICE、ドバイ、といった他国の金融取引所がこれに追随しなければ、それらの市場が抜け穴となってしまうため、これら他国の取引所が米国の提案に追随するかどうかという点は、これまで同様に大きな課題となってきそうです。

各国が合意を拒んでいる間にも、景気は底打ちし、デフレからインフレへの反転が始まることでしょう。多くの人が忘れ去っていますが、原油高騰を招いた市場の仕組みは何一つ、何ら、変わっていないのです。

しかし懸念の一方で、外堀は埋まりつつあります。その一つがタックスヘイブン規制です。

 

タックスヘイブンのブラックリスト、OECDが公表へ【産経ニュース】

ブラウン英首相は2日、会合後の記者会見で「タックスヘイブンの息の根を止めることでG20は合意した」と述べ、同日中にリストを公表すると表明した。

タックスヘイブン規制の真の目的はいくばくかの税金を回収することではありません。タックスヘイブンが実質的に、資産の隠し場所、資金洗浄の場所となっていることを防止することが目的です。

今後出てくるであろう具体的な規制策の全ては、重要な前提条件があります。それは「資産の全てが明らかであること」です。規制は規制が守られていることを確認することで――、即ち監査を行って、初めて完成します。

監査を行うためには、全ての資産が明らかである必要があります。資産を隠されては監査をすることができません。そのことは、様々な脱税事件などを見ても理解出来るでしょう。そういえば、28億円を現金でガレージに隠し持っていたなんて事件もありました。

しかし金額だけなら、タックスヘイブンに大金を隠しているヘッジファンドに比べればかわいいものです。シンガポールに本拠を移したと話題になった村上ファンドのことなども思い出されます。

こうしたファンドの動きは結局のところ当局の規制を逃れたいが為であって、逆に言えば、タックスヘイブンの撲滅は、規制を機能させるためには必ず必要であることの証明といえるでしょう。

カジノ資本主義を改める動きは着々と進んではいるのです。問題はそのスピードだけの話で・・・・。

喉元過ぎれば熱さ忘れる。景気が改善傾向を示し始めれば、人は油断し、協調性がいっそう失われてしまいます。だからこそ、おそらく勝負はこの一年。金融危機への危機感を背景にどこまで規制をねじ込めるのか?それが勝負の分かれ目になるのです。

 

なお、補足までに書いておきますが――。

日本不況は事情が違います。これまで何度か書いてきましたが、他国に巻き込まれたという事情以外には、規制の強化しすぎが日本の不況の引き金を引いています。今、テレビ東京のガイアの夜明けでタクシー業界の特集とかしてたのですが、現在、タクシー業界は規制の再強化でよく知られてますよね?
ところが、MKタクシーの進出で地元のお店の人とかが「タクシー業界の人が営業に来たのは初めて」とかインタビューで言っているわけです。一方で地元の業者は規制強化を政府に働きかけている・・・・。おまえら、規制を訴える前に営業しろよって話で。

こんなバカな話がタクシー業界以外にもまだまだいっぱいあります。

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