● ドル円
レンジ相場の上、株価には反応せず。指標には内容によって反応、といった先週でしたが。何を織り込んでいて、何を織り込んでいないのかの判断が難しい状況であり、今週は難しい取引環境になるかな、という感触です。
レンジに入っているのが分かっているので、レンジトレード用の戦術であたるのが良さそうです。下値は引き続き97円台への突入を想定しており、端的に言って、買うにはまだ調整不足です。これまで狂ったように「買え、買え」といっていた私のような人間が調整不足と考えるんですから、まぁドル円が上がっていかないのも無理ありません。短期筋も様子見地合と言うことでしょう。
ただ現状判断では若干下方向圧力が強いと判断しています。これを書いている段階で98円半ばですからね。ただ正直、確度の高い予想とも思っていませんし、レンジが逆に放たれても回収できるトレードプランが必要になることはいうまでもありません。指値取引などで回収回数を上げる必要があります。また、こういう材料に反応が薄い相場ではシステムトレードが強いかもしれません。
ノロノロ相場で最近のスピード感になれているとイライラすると思いますが、基本的にはゆっくり待って戻り買いがいいでしょう。すっかり忘れていましたが、ドル円の本来的なスピード感はこんなモノです。
● ユーロ
1.31を割れたことで売りが勢いづいています。ユーロに対する不透明感もありますので、テクニカルに崩れればもうユーロを支えるものは何もありません。
小難しい為替の知識(実効為替レートとか)など全く忘れて、一度「ユーロは米ドルの1.3倍の価値がある」と口にしてみましょう、冷静に考えれば、今のユーロに1.3倍の価値を見出すのは難しいかもしれませんね。下落もやむを得ないかもしれません。
昨年のような下落の迫力はありませんが、戻りをもう一度売り込みたいと思います。判断ポイントはテクニカルに崩れる支店となった1.310あたり。ここを回復したら売りトレンド終了と考えます。また、他通貨に先んじて売り込まれていることで、来月のECBあたりでは事実確認の買いが入りそうにも思います。
長期に見ると、今回の下落で結局ユーロはまた長期の下落トレンドを維持したことになります。日足を見れば一目瞭然ですが、巨大な三角持合を形成しながら下落しています。それだけに上に放たれれば・・・・、という興味は尽きないのですが。1.300割れ水準はいくらか買いも入っている一方で、あまりにチャート型が悪いです。期待値買いも面白いですが、ごくごく軽めにしておいたほうが良さそうに思います。
多少リスクですが、1.290半ばを買って、1290割れに損切りを入れるのが一計。また売りは、ちょっとタイミングがとれないかも知れませんが、1.300半ばまで戻したところを売りたいです。レンジを上手く意識しましょう。
● 豪ドル
USD/JPYやEUR/USDに下落圧力が掛かる中、豪ドルは底堅く推移し、狭いレンジに入り込んでいます。市場も豪ドルに関しては引き続き強気の見通しをする人が多いようです。
0.705あたりがサポートとして意識されていますので、そのあたりまで引き付けられたら買いを入れてみるといいと思います。ただし、先週も書いたとおり0.700には損切りが溜まってきているようで、ここにタッチしてくると一時的とはいえさらに売りが勢いづくと考えられます。そこでもう一度買い直すのも現在の豪ドルの強さを考えれば、一考の価値があります。
0.705付近で買い入れたなら、0.700割れには損切りを素直に入れ、落ち着いたところを再度買い直すのが良さそうです。そう大きな下落トレンドは想定していませんが、売りが止まらず0.69あたりを襲うようだとさすがにマズいでしょう。
● 日経平均
9000円を前に足踏みが続いています。ただ、売りこまれても底堅く「積極的に買う理由もないが、売る理由もない」といったダラダラした相場が続いています。
8000円前半などは長期的に見ても底値に近く、長期保有のメリットが大きい為と考えられます。また正直、現行水準からの最大下落リスクは7000円台が一つの目処になりますから、そうした下落リスクの計算のしやすさも売り意欲を減じさせる理由になっていると思われます。
こうした見方はVIXにも反映されています。
市場としては買いの材料を探してはいるものの、肝心の材料がない状態といえます。ただ、このような状態がもうしばらく続けば、テクニカルがここまでの急騰に追従してきますので、テクニカルを足がかりにゆるりと上げるというシナリオはありえそうです。下値は限定的のようですので、戻り買いをしながらのレンジトレードで、レンジブレイクを待つのが良いと思います。