先週末の上げ相場が、週明けからいきなり反転。上昇幅を吹き飛ばしただけではまだ足りないようです。ただ、相場の本質はドル安と見ます。EUR/USDやAUD/USD等は、上昇に備えるスタンスで望みたいと思います。一方、豚インフルエンザについては一度で織り込みづらい材料だけに油断は禁物です。相場も油断禁物ですが、むしろ普通に被害や感染も気になるところでしょう。
● ドル円
IMMポジションから、投機筋は円売りを仕掛けているにも関わらず、円高が止まらなかったという驚愕の事態が明らかになりました。短期筋は株が底堅いことから円安を連想して円売りを仕掛けていたものの『何らかの』理由によって円高が止まらなかったということでしょうか?単に安値圏と見て買いに動いているなら話は簡単なんですが・・・・、そんなに大量に逆張りをする短期筋が湧いているというのでは、それはそれで恐ろしい話です。
先週も東京市場が主導して円高を進めてきたことを考えると、実需筋などが円買いに動いている可能性をまずは考慮する必要があります。もっとも、実需とはいうものの、円買い主体の正体は不明。消去法的に実需くらいしかいない?というだけで、正直この円高の理由をスッキリ説明できるような何かがあるわけでもないのです。その『なんらか』がスッキリ分かれば、その動向を先読みして円売りに転じるタイミングを計ることが出来ます。しかし現状ではそれは難しく、むしろ目先は短期筋の撤退による更なる円高リスクを考慮せざるを得ない状況です。
センチメント、ファンダメンタルズともに判断が難しい状況でもあり、今週も引き続きテクニカル分析を足がかりに目先の相場をこなすしかなさそうです。他通貨は基本的なドル安傾向が見て取れ、ドル円相場もそれに違わないのですが、他通貨に比べるとトレンドが弱い印象。放たれるのを待つというよりは、レンジトレードを徹底した方がいいでしょう。
ところで、一部にはこの男が発言したから円高が進んだということもまことしやかにささやかれていますが、ネガティブインジケーター(コイツが発言するころには相場は逆方向への転機を迎えている、という判断の目安になる人)としては定評がある人物だけに、あながち冗談とばかりもいえないかもしれません。
とりあえず目先は重要サポートである96.50手前で買っておいてもイイですが、明確に割れたら必ず売りで追撃することを念頭に置いておく必要があります。売りは96.50円割れを待つか、戻りを待った方が良さそうです。
● ユーロ
1.330~1.335あたりを越えられず下落しています。このラインは先週にも指摘したとおり、日足での巨大な三角持合のトレンドラインが通過しており、このラインを上抜ければただ事ではすまないとは考えられます。もっとも相場参加者のほぼ全員がそれは認識しているはず。認識はあるものの――、どちらに抜けるかという話になると意見は分かれているようです。
今のところは綺麗に頭を抑えられており、形だけ見ればこのまま下に放たれる可能性の方が高いわけですが、これより下には金融危機の真っ只中で形成された大底の水準なども通過しており、上下共に動きづらい状況です。その上、あまりに持合が巨大すぎて、放たれるのを待つというのも気長すぎる状況。結局は難しいレンジ相場の中を耐えながら放たれるのを待つしかなさそうです。
ひとまずのレンジ目処は1.310。私が先週、買い転換点としてあげた水準です。このライン前後ひとまずはサポートとして機能すると考えたいところですが・・・。あ、今、割れてる。一方上値は1.330あたり。こちらもレンジを前提にしましょう。基本的に無理せず、
● 豪ドル
やはり0.715の抵抗が堅い模様。上抜けてもほどなく戻ってきます。一方で下値も堅い為、短期戻り買いを繰り返していくのがやりやすいと感じます。引き続き、最大調整で0.690までの下落を見込みますが、それより手前の0.700で支えられやすいと考えます。
この状況で0.690を割れるのはよほどのことですので、もし割れたら速やかに撤退判断が必要でしょう。
● 日経平均
終わってみれば、ほとんど動かず。二転三転するクライスラーの話や、織り込みがたい豚インフルエンザのリスクなどが重なり、結局身動きがとれなかったようです。どうも相場は、為替も含めて、勝負のタイミングを探している印象。株に限った話ではありませんが、今はポジションを減らして英気を養い、チャンスにしっかり仕掛けられるように一休みでもイイかもしれませんね。