豪中央銀行大儲け。利益は政府の財源に

(豪州特集)RBAの収益計上:津田【野村雅道と楽しい投資仲間達】

今回の世界金融危機時において、RBA介入の評価は高い。RBAは10月、11月に35億豪ドルを買い介入した。62セント近辺で市場に入り、今回75セントに上昇する過程で24億豪ドルを売り戻して収益を確定させたと言われる。

一時期、日本に国債を買ってもらおうと外交に来たこともあったが・・・・、この状況ならそれも不要かもしれない。なお豪ドル62セントというのはほぼ大底水準(介入したんだから当たり前だけど)。少なくとも豪ドルの取引において、これ以上理想的なトレードは存在しないといってもいいくらいだ。

別に儲けたらと言うわけではないが、今回の金融危機でRBAはあらゆる中央銀行の中でも最も高く評価されている。

他国に率先して大幅利下げを断行して、危機に際してに各国が協調するという思惑を世界に広げた。このことで市場は一時下げ止まった。この後、米国のFRBが量的緩和で追従し、パニックは収束に向かった。

その後、オバマ政権が誕生後には、景気も大底を打ったとの認識が世界に広がり、今では株価は急上昇している。しかしそれより早く動いていたのがRBAだ。RBAはいち早く利下げを止めて「今後は様子を見る」という声明を出していた。株価に連れて原油価格なども上昇していることを考えれば、RBAの判断が極めて適切であったというべきだろう。

何故、いち早く利下げを止めたことが適切だったかは米ドルの状況を見れば分かる。米国ではFRBが取った過激な量的緩和の出口戦略に懸念が抱かれており、コレを書いている現在は米ドルは下落が止まらない状況だ。要はインフレ圧力がかかっているのだ。

それでも震源地でもある米国は容易には量的緩和を止められない。だが豪は他国に比べて傷が浅かったため「最初にガツンとやって、あとは引き際を心得る」という政策が上手くはまった。結果として、政策面では常に他国をリードし、同時に相場の混乱を止める先方としての役割を果たし続けてきたというわけだ。

これらの貢献を考えれば、まぁそのくらい儲けたって罰は当たらないだろうという気はしないでもない。

一方、RBAが断固とした処置をすばやく実行に移している間、日銀は一応最低限の義務は果たしていた。世界の足を引っ張らない程度の仕事、という意味だ。まぁ、平均点は取ったというところか。日銀の慎重な対応については、日本が金融危機の影響が少ないことを理由に挙げる向きも多いが、豪も同様に金融危機の影響が少ない状況であったにも関わらずこれだけの行動をとったことを考えれば、言い訳にはならないだろう。

日銀も単に合格点を確保するだけでなく、世界をリードする中央銀行になって欲しいものだ。

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