今や9時まで勤務すら”遅い時間”

午後9時まで会社にいない人は、優秀じゃない?【Tech総研】 

ひろゆきは、「21時からのドラマを見るには会社を19時、20時台に出なくちゃいけないけど、今の時代にそんな時間に会社を出られる人って、基本的に優秀じゃない社員。仕事をきちんとする人は21時ぐらいまで会社にいる」と語った。

その感覚は2年以上前であれば、正しいかもしれない。が、「今の時代」ということであれば全く正しくない。

最近は金融危機を引き金にした不況のおかげで、時短はさらに進んでいると感じる。私の勤務先だけでなく、客先や知り合いの会社などもその傾向だ。そして過酷な労働環境で精神的に異常をきたすような事例も減少傾向。よいことだ。実際Tech総研のデータでも

  真偽のほどは明らかではないが、ここでは彼の言葉にノって、「21時以降に退社する(優秀な)エンジニアの割合」を調べてみたい。
 Tech総研が昨年行った調査では、21時以降に退社するエンジニアはソフト系で22%、ハード系で24%。別の記事でも同様の調査をしていて、技術者全体の割合で2年前は28%、6年ほど前は31%が、21時以降に退社していた。
 数字を見ると退社時間は年々早くなっており、不況で仕事量の減少や残業規制が続く状況を考えれば、現在21時以降に退社するエンジニアは「20%弱」というところか。すると、優秀なエンジニアは2割もいないことになるので、Tech総研としてひろゆきの仮説は認められない。ごめんなさい。

まぁ、そもそも「優秀じゃない社員」という表現の”優秀”というよりは「きちんと仕事をする人」の方が重点があると思うのだが、きちんと仕事をする人が2割ではさすがに会社の運営は困難と思われるので、Tech総研の調べの方が正しいのは間違いなさそうだ。ちなみに、以前は1時以降に退社するエンジニアは5割をゆうに超えていたと思われる。

もっとも、「優秀なエンジニアは2割もいないことになるので」とあるが、そもそもパレートの法則的な発想に従えば、優秀な人は全体の2割程度を指すと考えるべきだということは書き添えておこう。その会社の利益の8割を支える、2割の社員が優秀な社員である。

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