米国でおサイフケータイが普及するはずがない

おサイフケータイが米国で進まない理由【IT media】

「日本では、携帯をかざして電車に乗ったり、日用品を買ったり、飛行機に乗ったり、建物の入館認証をしたりできる」と上海のGartnerの調査ディレクター、サンディ・シェン氏は言う。

「米国では固定回線のブロードバンドインフラが確立しており」、それが体系的な変化を妨げている可能性があると同氏は付け加えた。「米国の人々は、通話とメール以外のモバイルサービスの必要性をそれほど感じていない」

おサイフケータイの便利さは使ってみなければわからないだろう。「必要性を感じていない」ことが普及しない原因であるなら、日本でおサイフケータイのが普及することもなかったはずだ。米国でおサイフケータイが普及していない理由に「必要性~」云々というのは適当な言い訳か負け惜しみかのどちらかだ。

実際に、おサイフケータイのが普及しない理由はいくらでも思いつきそうだが、そもそもそんな議論以前の問題があるかもしれない。

【不思議の国アメリカ】 “オンライン決済不在”の驚くべき実態【IT Pro】

アメリカでいう「オンラインペイメント」はインターネット経由による、銀行への「チェックの振出・郵送代行」指示なのである。オンライン上の銀行口座から受取人情報や支払人情報を登録し、支払い金額を入力し、Pay Billという操作をする。するとインターネットから送られた指示が銀行のシステムに届き、自動的にチェックを印刷し、受取人へ郵送されるのである。

オンラインバンキングの支払い指示を行うと、銀行は小切手を印刷して、それを相手先の銀行に郵送しているというわけだ。最新のオンラインバンキングシステムのその背後では、さぞ高度な印刷機が稼動しているに違いない。

なおいうまでもないことだが、日本ではオンラインバンキングの背後では電信処理が行われ、データのみが銀行間で連携される。これが俗に言う全銀システムというものだ。単に決済データを流してやり取りするのではなく、一日の最後にお互いの銀行の受け渡しの総差額を計算して、差額決済を行っている。この仕組みのおかげで、日中であれば振り込みは基本的に即時反映だ。このシステム日本では1973年から稼動している。私の生まれる前の話である。

米国はおサイフケータイの云々以前に、先にやることがいくらでもありそうである。小切手を印刷して隣の銀行に郵送しているような国で、ICカードの電子マネーが普及するような未来は、私には想像できない。

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