今年は株やFXで儲かった人も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
利益が20万円を超えると「わざわざ申告するのか、それとも不要か」で悩む人もいます。
しかし!実はFXの利益は1円でも申告対象。株式や副業の「20万円ルール」は適用されないんです。
今回はとりあえずFX所得20万円を例にして、税金とコストを計算し、それによる期待値を計算してみます。先に結論を申し上げると「馬券以下」でした。

20万円のFX利益にかかる税金
FXやCFDの所得は「先物取引に係る雑所得等」として扱われ、税率は一律 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) です。
例:20万円の利益
- 所得税:約30,000円
- 復興特別所得税:約630円
- 住民税:約10,000円
👉 合計:約40,600円の納税
20万円稼いだつもりでも、手残りは16万円弱に減ってしまいます。
ファンディングコストの重さ
税金だけでなく、ポジションを翌日に持ち越すと発生する「ファンディングコスト(スワップポイント等)」も見逃せません。
私の取引記録を元に20万円稼ぐのに掛かったファンディングコスト諸々を計算しました。
- 売買益:+20万円
- ファンディングコスト:▲2.6万円
- 税金:▲4万円
👉 最終利益:約13.4万円
稼いだつもりの額と比べて、3分の1以上が消えていることになります。
取引頻度を上げると勝率はどうなるか?
ここで「大数の法則」を思い出してください。
- 短期的には勝ち負けに偏りが出ることがあります。
- しかし、取引頻度を増やして試行回数を重ねれば、勝率は限りなく五割に収束します。
これはコイン投げと同じです。10回なら6勝4敗になるかもしれませんが、1,000回繰り返せばほぼ500勝500敗に近づきます。
👉 取引頻度を上げれば上げるほど「市場に優位性がない人」は確実に勝率50%へ収束し、残るのはコストと税金の負担だけです。
つまり「頑張って回数を増やせば勝てる」という発想は、数学的にむしろ逆効果になります。
還元率で考えると…
金融市場を「ギャンブルの還元率」で例えると分かりやすいです。
- カジノのルーレット:還元率 ≒ 97〜98%
- パチスロ(日本):還元率 ≒ 80〜85%
- 競馬の馬券:還元率 ≒ 70〜75%
今回のFX例を当てはめると:
- 売買益20万円 → コスト・税金6.6万円
- 実効還元率 = (200,000 − 66,000) ÷ 200,000 ≒ 67%
👉 競馬並み、もしくはそれ以下の還元率という計算になります。
投資と投機の境界線
こう考えると、**優位性を持たない人が頻繁に売買するFXは「馬券と変わらない投機」**に過ぎません。
大数の法則で勝率は五分に収束し、残るのはスプレッド・ファンディング・税金という「胴元の取り分」だけだからです。
ただし、FXにはギャンブルと異なる点もあります。
- 市場の歪みを分析できれば、勝率五割を超える可能性がある
- レバレッジを効かせて資本効率を高められる
つまりFXは 「優位性を築ける人にとっては投資、そうでなければ馬券同様の投機」 なのです。
まとめ
- FX利益20万円は確定申告必須、税金は約4万円
- ファンディングコストやスプレッドを含めると、利益の3分の1以上が消える
- 取引頻度を上げるほど勝率は五割に収束し、残るのはコストと税金だけ
- 還元率でみると、パチスロより悪く、競馬並み
- 投資として成立するのは「市場の歪みを突いて勝率五割を超えることができる時」だけ
💡 オマケ
取引回数を増やしても期待値は改善しません。
むしろ愚直に取引を繰り返すといっそう赤字に近づきます。
私はここ10年以上、FXで赤字になった事がありません。馬券分程度の些少な金額しか買っていない上に「馬券程度のギャンブル」と思ってやってますから。でもそう思ってやっていると不思議と毎年黒字になるんですよね。
やはり先達の教えの通り「投機はメンタルが一番大切」なのです。自分のメンタルを維持できる範疇での取引をオススメします。
なお私、馬券を買ったこともなければ、競馬を観に行ったこともありません。誰か連れてってください。
