
はぴこ
コミュニティで市場を作る ーAI時代の分散型共同購買インフラー
1. 発見
― 市場は「顧客」ではなく「関係」でできている ―
COクリエイトは、
最初からIT企業だったわけではありません。
創業者の三浦雅弘は
伊藤忠燃料株式会社出身。
当初の事業は、
エネルギーや自動車関連のネットワークを活用した
小さな商社のようなビジネスでした。
しかし創業直後、
世界は新型コロナウイルスのパンデミックに突入します。
事業環境は激変し、
会社の船出は困難の連続でした。
そんな状況の中で
手を差し伸べてくれたのは
- 投資家
- 企業
- 業界団体
など、実に様々な人々でした。
企業規模も業界も異なる
多くの方々に支えられながら事業を続ける中で、
私たちはあることに気づきます。
それは
企業の価値は規模ではなく、関係性の中で生まれる
という事実でした。
企業ではなく「関係」が経済を作る
コロナ禍のさなか、
ある大手の業界団体から相談を受けます。
加盟している中小企業の
社員の定着を助けてほしい
この依頼をきっかけに
COクリエイトは
福利厚生アウトソーシング事業
を開始しました。
商社時代に培った
バイヤーネットワークを活かし
- 商品
- サービス
- 優待
をそろえた福利厚生サービスを構築します。
すると想定以上に多くの企業から
契約をいただくことになりました。
しかし、
この事業を続ける中で
私たちは次第にある構造に気づきます。
業界を支えているのは誰なのか
業界団体の課題に向き合う中で
見えてきたのは
非常にシンプルな構造でした。
業界団体
↓
中小企業
↓
社員・顧客
↓
人間関係のネットワーク
つまり
- 業界団体は中小企業が支え
- 中小企業は社員や顧客の関係に支えられている
という構造です。
そして業界課題を解決するためには
末端のネットワーク
にアプローチする必要があります。
つまり
人間関係そのものが市場を形成している
という事実でした。
市場構造の発見
この観察から、
私たちは次の仮説にたどり着きます。
市場は企業によって作られるのではありません。
人
↓
コミュニティ
↓
経済活動
という構造で形成されています。
人は企業ではなく
- 信頼する人
- 所属するコミュニティ
- 共通の価値観
によって行動します。
私たちはこの構造を
中世の商業団体を模して
ギルド相関経済
と呼ぶようになりました。
IT企業ではなく「市場構造」を作る会社
この構造を実装するために誕生したのが
分散型ECプラットフォーム 「はぴこ」
です。
はぴこは単なるECサイトではありません。
コミュニティ
↓
購買ネットワーク
↓
経済圏
を形成する
コミュニティ経済インフラ
です。
この発見が
COクリエイトのすべての事業の出発点となりました。
2. 理論
― AI時代の情報科学との偶然の一致 ―
はぴこは当初、
AIを意識して作られたシステムではありませんでした。
親団体、子団体、孫団体といった
コミュニティ構造を管理できる
分散型ECシステムとして開発されたものです。
私たちはただ
- 広告費に頼らず
- プラットフォームに依存せず
- 良い商品を末端のコミュニティまで届ける
ことだけを考えていました。
しかし、ある時
大きな気づきが生まれます。
東京都の人材交流事業を通じて
- 三菱重工業
- 東芝テック
などの大手企業から出向者を受け入れ、
そして最後に、野村総研出身の私が合流し、気づいたのです。
「AI時代の情報科学と完全に一致している」
分散型ECとAI工学の一致
特に次の三つの分野で
はぴこの思想はAIの工学と一致していました。
- ネットワーク科学
- 行動データ解析
- AIのベクトル表現
ネットワーク科学
現代の社会は
人 → 人
人 → 組織
組織 → 組織
というネットワークとして理解されています。
Googleの検索エンジンも
ページ
↓
リンク
↓
重要度
というネットワーク構造を分析しています。
つまり
関係性が価値を生む
という構造です。
同じことが経済にも存在します。
人
↓
コミュニティ
↓
購買
つまり
コミュニティ構造 = 市場構造
になります。
行動データ解析
従来のマーケティングは
年齢
性別
職業
などの属性データを使いました。
しかし現在は
行動データ
が重視されています。
例えばAmazonは
属性
ではなく
購買行動
から商品を推薦します。
コミュニティ経済では
コミュニティ
↓
行動ログ
↓
価値観推定
が可能になります。
つまり
価値観ベースの市場分析
が成立します。
AIベクトル分析
生成AIは
言葉
画像
行動
などを
ベクトル空間
で扱います。
似ている概念は
近い位置に配置されます。
同じことがコミュニティにも起きます。
コミュニティ
↓
行動データ
↓
ベクトル空間
すると
似た価値観のコミュニティ
が自動的にクラスタ化されます。
つまり
市場そのものをAIが理解できる構造
になります。
3. 実証
― 10年以上の実装によるコミュニティネットワーク ―
結果論的ではありますが、弊社はこの構造を
10年以上にわたり取り扱い、そして実装してきたのです。
現在
- 多数のコミュニティ
- 膨大な会員
- 継続的な経済活動
を持つネットワークが形成されています。
しかしこの構造は長らく
収益化が追いつかない状態
にありました。
理由は単純です。
このモデルは
ネットワークが一定規模を超えないと成立しない
からです。
4. 転換(2026)
2026年
私たちはこのネットワーク資産を
収益化フェーズ
へ移行しました。
その手段が
- 共同購買
- コミュニティEC
- 会員サービス
- 行動データ分析
です。
つまり
コミュニティ
↓
購買ネットワーク
↓
経済圏
を構築します。
5. 実証プロジェクト
このモデルは現在
3つの市場で実証されています。
① 業界団体モデル
(最も純粋なコミュニティ経済)
事例
- 全国介護事業者連盟
- 日本居酒屋協会
業界団体は
共通課題
↓
共同購買
↓
共同経済
という構造を持ちます。
例えば介護業界では
- おむつ
- 消耗品
- 人材
- 福利厚生
など共通需要があります。
その結果
業界
↓
コミュニティ
↓
巨大購買ネットワーク
が成立します。
これは
ギルド経済の最も純粋な形
です。
② 企業コミュニティモデル
(顧客ネットワークの経済化)
事例
エネアーク関西
エネパンクラブ
企業は本来
顧客
↓
関係性
↓
ネットワーク
を持っています。
しかし多くの企業は
広告
↓
商品販売
という単発関係しか作れていません。
そこで
顧客
↓
コミュニティ
↓
経済活動
を導入します。
これにより
- 福利厚生
- 共同購買
- 新サービス
などを通じて
顧客ネットワークを経済化
できます。
③ B2Cモデル
(自律コミュニティの形成)
新規事業
ドライバーライフプラス
これまでの事業は
団体
企業
など既存コミュニティに依存していました。
しかしその場合
コミュニティの主導権は外部
にあります。
そこで
個人
↓
職業コミュニティ
↓
経済圏
を自律的に形成するモデルを開始しました。
運送業界は
- 人数が多い
- 共通課題が多い
- コミュニティ文化が強い
という特徴があります。
そのため
ドライバー
↓
コミュニティ
↓
共同購買
という構造が成立しやすい市場です。
6. なぜドライバーライフプラスなのか
このプロジェクトは
単なる新規ECではありません。
それは
コミュニティ経済の自律モデル
です。
これまで
団体
企業
に依存していたコミュニティ形成を
個人
↓
コミュニティ
↓
経済圏
として自律的に構築します。
つまり
ギルド経済の原型
です。
7. 三つのモデルが示すもの
現在の実証は
| モデル | 役割 |
|---|---|
| 業界団体 | 巨大コミュニティ |
| 企業顧客 | 顧客ネットワーク |
| B2C | 自律コミュニティ |
です。
すべて
人
↓
コミュニティ
↓
経済ネットワーク
という
同じ構造
を検証しています。
8. スケールモデル
― ブルーカラー生協構想 ―
介護事業者連盟共同購買、
ドライバーライフプラス、
これらは単なるECではありません。
職業コミュニティを基盤とした共同購買モデル
です。
構造は
職業
↓
コミュニティ
↓
共同購買
↓
経済圏
これは地域を基盤とした
生協モデルに近い構造です。
しかし対象は地域ではなく
職業コミュニティ
です。
対象市場
日本のブルーカラー人口は
| 職業 | 人数 |
|---|---|
| 運送 | 約300万人 |
| 建設 | 約500万人 |
| 製造 | 約1000万人 |
| 介護 | 約200万人 |
合計
約2000万人
の巨大市場です。
仮に5%の会員化でも
2000万人 × 5%
= 100万人
となります。
もし会員が
月1000円
の購買・サービスを利用すると
100万人 × 1000円
= 月10億円
年間では
120億円の経済圏
が形成されます。
ネットワーク効果
このモデルの特徴は
コミュニティが増えるほど価値が増える
ことです。
職業コミュニティ
↓
購買ネットワーク
↓
商品価格低下
↓
会員増加
という
ネットワーク効果
が働きます。
生協の次の形
地域型生協は
地域
↓
共同購買
でした。
しかし現代社会では
職業コミュニティ
の方が強い結びつきを持つ場合があります。
ドライバーライフプラスは
弊社の思想の集大成として
職業
↓
コミュニティ
↓
経済圏
という
ブルーカラー生協
を構築するプロジェクトです。
9. なぜ今、コミュニティ経済が成立するのか
― 技術転換:属性分析からベクトル分析へ ―
ドライバーライフプラスの実装にあたり、
私たちは技術的に大きな転換を行いました。
それは
属性型分析から、AIによるベクトル分析への転換
です。
属性型ビッグデータの限界
これまでのIT業界では、
データ分析は主に
年齢
性別
職業
地域
といった
属性データ
を基盤として行われてきました。
しかしこの方法では、
人間の行動や価値観を十分に説明することができません。
人の購買行動は
コミュニティ
関係性
価値観
といった
関係データによって強く影響されるからです。
Googleが証明した関係データの力
ビッグデータの成功例として知られるGoogleは、
この問題を早くから解決していました。
Googleの検索エンジンは
ページ
↓
リンク
↓
重要度
という
関係データ
を分析することで
検索の質を飛躍的に高めました。
これは
属性ではなく、関係を分析する
という発想です。
この思想はその後
- 検索エンジン
- SNS
- 生成AI
へと発展していきました。
AIが可能にした「関係の解析」
近年のAIは
言葉
画像
行動
などを
ベクトル空間
で扱います。
これは
関係性を数学的に扱う技術
です。
つまりAIは
人
↓
行動
↓
価値観
という構造を
直接解析できるようになりました。
ギルド経済が成立する時代
私たちが構想してきた
コミュニティ
↓
関係性
↓
経済圏
というモデルは、
実は長い間
技術的に再現することが困難でした。
しかしAIによる
ベクトル分析
によって
コミュニティ
↓
行動データ
↓
価値観クラスタ
を扱えるようになりました。
つまり
ビッグテックでなくても 関係データを扱える時代
が到来したのです。
技術が追いついた市場構造
私たちが長年取り組んできた
コミュニティ経済
は、
AIの発展によって
初めて実装可能になりました。
コミュニティ
↓
行動
↓
AI解析
↓
市場形成
という構造です。
これは
ギルド型経済圏の技術的基盤
になります。
10. 次のフェーズ
これらの実証が進むと
コミュニティは単なる集団ではなく
経済単位
として機能します。
そして
コミュニティ
↓
経済ネットワーク
↓
AI解析
という市場構造が成立します。
9. 最終ビジョン
巨大プラットフォームが
個人を支配する経済から
コミュニティ
↓
ネットワーク
↓
AI
によって形成される
コミュニティ経済
へ。
COクリエイトは
その基盤となる
コミュニティ経済インフラ
を構築しています。
