一時期、なんでもLog撮影にしていて、未編集素材が貯まりまくって大変な事になったことがあります。プロなら「仕事だろ。泣き言言わずにやれ!!」って話なんですけど、こっちは趣味で「いいねくれ~」の精神でやってるだけなんで。
アマチュアにとって効率化は最も重要な課題です。今日はその観点から、Log撮影のデメリットと、それでもLogを使う場合の判断ポイントについてまとめたいと思います。
Log撮影のデメリット
まずは冷静にデメリットから。
Log撮影って一見「プロっぽい」んですけど、実際にアマチュアがやると 面倒くさい部分が先に立ちます。
- 選別がスマホで出来ない
これは本当に致命的です。素材の選別がスマホで出来ればスキマ時間を使えます。
しかもGoogle フォトならカットはロスレス。
しかしLogをやった途端にそれが困難になります。 - 編集必須でSNS投稿すらできない
Logはそのままでは眠い映像。必ずLUTやカラーグレーディングで整えないと見られません。 - 実はノイズが目立ちやすい
特にAPS-Cやアクションカムの小さいセンサーでは、暗部ノイズがすぐ出てしまう。 - 管理コストが高い
未編集のLog素材が山積み → そのままお蔵入り…。趣味でやるには不毛。
プロが納期とギャラで動くのとは違って、アマチュアは「撮って出しでもある程度映える」ことのほうが重要。Logはその逆で「全部手を入れないといけない」から、趣味の撮影では圧倒的に相性が悪いのです。
結局カットごとに追い込むハメになる
Log撮影の魅力は「広いダイナミックレンジを残せること」「後から自由に色を作り込めること」ですが、これは裏を返せば 必ず色を作り込まないといけない ということです。
DaVinci ResolveのタイムラインにLog素材を並べてみると、誰もが最初にこう思うはずです。
「眠い…。LUTを当てれば一発で映画っぽくなるはず!」
でも、実際にLUTを当ててみると:
- あるクリップは綺麗にハマる
- あるクリップは彩度が暴れる
- あるクリップは暗部ノイズが目立つ
- あるクリップは空が真っ白に飛ぶ
つまり 一括で仕上がることはほとんど無い のです。
キツい。私はこれが決定打になりました。
ノンLog撮影+薄化粧の合理性
ではどうすればいいか?
答えはシンプルで、カメラに最低限の色処理を任せること。
- ミラーレスなら「ニュートラル」や「フラット」プロファイル
- アクションカムなら「フラット」+HDRオン
- 編集時にAdjustment LayerにLUTを薄くかけて“軽く化粧”
これで 統一感+臨場感 が両立できます。SNSで求められるのは「完璧に揃ったルック」より「その瞬間をシェアできる空気感」。ノンLog+薄化粧のほうが圧倒的に効率的です。
それでもLogを使うなら?
じゃあLogはゴミかというと、そうではありません。
**「広いダイナミックレンジが必要な一瞬」**では、やっぱりLogが効きます。
- 稜線での逆光
- 夕焼けや雲海のドラマチックな光景
- 車載でトンネルを抜けた瞬間の強烈な光
こういう場面では、Logがハイライトとシャドウをしっかり残してくれるので、あとで映像の格が一段上がります。
判断フロー
現場で迷わないために、簡単なチェックリストを作りました。
- 白飛び・黒潰れがないかヒストグラムで確認
- 左右いっぱいに緩やかに分布している(=レンジが広い)ならLog
- そうでなければニュートラル/フラットで撮影
要するに「いつもLog」ではなく「必要なときだけLog」。
私はR50Vというキヤノンの安価なカメラを使ってますが、コイツはホントに多様なカスタマイズに耐え、ストレスなく動画が撮れます。
普段は効率重視でノンLog、ここぞというときだけC1ボタンでLog。
これが私みたいな「いいね」がほしいだけの底の浅い人間の最適解でございます。
まとめ
- 趣味撮影において Log常用は効率最悪
- 普段は ニュートラルやフラットで“薄化粧”運用
- ただし逆光や夕景など ここぞという瞬間だけLog
これで未編集素材が溜まる呪いから解放されます。
